<麻酔科専攻医>
2015年度から、麻酔科専門医の取得制度が大きく変わりました。専門医試験受験資格が「4年間の専門医研修プログラム終了」となり、「経験必要症例数」が申請要件に追加されました。当院麻酔科は、岡山大学、神戸大学、高知大学の麻酔科専門医研修プログラムに登録しています。基幹病院と連携をとりながら、専門医取得に必要な症例数のすべてを当院で経験することができます。(※詳細は「紹介」→「診療実績」をご参照ください。) どの専門医研修プログラムでも入局は必須ではありません。出身地や将来希望する進路等に合わせて、希望する研修プログラムに参加していただくことができます。また、専門医研修プログラムに未登録の先生も大歓迎です。当院は複数のプログラムの選択肢がありますので、プログラムに登録するかどうかも含めて、自由に選択してください。研修後はそのまま当院のスタッフになることもできますし、基幹病院の大学への入局も可能です。学閥はなく、特定の進路を強要することはありません。
<集中治療科専攻医>
2023年度から新たに機構認定専門医制度が始まりました。新制度での専門医試験受験資格は、最短2年(最長5年)の研修で必要経験症例、症例レポート、論文、学会発表、学会出席等の条件を満たすことで得られます。当院は2023年、日本専門医機構の集中治療科専門研修施設に認定されましたので、基本領域(麻酔科、救急科、小児科、内科)の研修プログラムを修了、または専門医を取得された先生は、当院で日本専門医機構認定集中治療科専攻医の登録が可能です。(※当院の研修のみで受験資格を満たすことが可能で、研修中に施設を移動する必要はありません。)当院でまずは麻酔科専門医を取得し、その後に集中治療専門医を目指す、といったキャリアプランも可能です。また、基本領域以外の科の先生で、学会認定専門医(当初、2024年度で終了予定でしたが、学会が制度の延長を申請中のようです)を目指す先生も大歓迎です。
当院は高知県の医療の中核を担う病院で、外科系の全診療科が揃っており、症例は多彩です。また、3次救急病院でヘリコプターによる搬送も行っており県内の重症症例が集まってきます。経験豊富な指導医・専門医が多数在籍しており、手厚いバックアップ体制の下で様々な経験を積むことができます。
ICUが麻酔科管理になっており、集中治療専門医取得を目指す環境が整っています。術後管理、重症患者管理、救急疾患、重症COVID19診療についても学ぶことができますし、また、心臓血管麻酔専門医、ペインクリニック専門医など、他のサブスペシャルティ領域の専門医を目指す環境も整っています。
ペインクリニックを専門とする医師が複数名在籍していますので、ペインクリニックでの研修も可能です。
南国土佐の土地柄で、コメディカルスタッフも友好的で穏やかな人が多く、明るく楽しい雰囲気の中で働くことができます。ぜひ人柄も気候も穏やかな高知県で、”なんでもできる”麻酔科医を目指しませんか?
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先輩専攻医のアドバイス
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合田 慶介 先生(平成25年卒)
私は初期研修終了後、岡山大学病院の麻酔科蘇生科に入局しました。平成27年(医師3年目)から岡山大学病院の専門医研修プログラムに登録し、平成28年7月に当院に赴任しました。
当院に赴任してから上級医にまず言われたのは、「ここで働くとタフになるよ」という一言です。働き出してすぐに、その言葉の意味が分かりました。ほぼ全ての科を網羅した多岐にわたる手術症例、高齢者の多い高知ならではの、多数の合併症を有するハイリスク症例、そして昼夜問わず運ばれてくる救急患者。年間に4000件以上の麻酔科管理症例がある病院ですので、一日に4~5件もの麻酔を担当することも当たり前にありました。
赴任した当初は、目の前の患者さんの麻酔をかけることに精一杯でしたが、少し落ち着いてくると、麻酔科研修にはうってつけの病院であることに気づきました。専門医取得に必要な特殊麻酔の症例数は十分に揃っていますし、硬膜外麻酔や内頸静脈穿刺はもちろん、末梢神経ブロック等のよりハイレベルな手技もたくさん経験することができました。大学病院であまり経験のできなかった産科や成人心臓血管外科の症例は、初めは上級医と相談しながらの麻酔でしたが、今ではなんとか一人でも麻酔管理を任せて頂けるようになりました。自分でも気づかない間に、精神的にも体力的にもタフになっていたように思います。
当院は麻酔科の人数が豊富であり、必ず誰か一人以上が、緊急手術の対応をしたり、術中急変の相談やフォローをしてもらったりできるような体制が整っています。心臓血管麻酔専門医やJB-POT認定医、また、小児麻酔や産科麻酔に熟達した指導医も複数在籍しています。自分では経験のない症例の相談に乗ってもらい、十分な準備と心構えをした上で、麻酔に臨めます。また当直帯も、一人で一通りの麻酔が出来るようになるまでは、ICUに麻酔科医が当直する体制をとっており(当院のICU当直は麻酔科医と心臓血管外科医の分担管理)、夜間でも困ったときには上級医に相談することができます。心強いバックアップに支えてもらいながら、麻酔科としての経験を積むことができると思います。
資格取得に対する手厚いサポートも、当院の特色の一つです。具体的には、麻酔科専門医など資格取得のための学会やセミナー参加に際して”高知医療再生機構”という県の機関から補助が出るということや、人数の豊富さにより参加しやすい環境になっているというものです。私の場合、赴任してからの2年間で、日本麻酔科学会総会や集中治療学会総会の参加、心臓血管麻酔学会での発表、JB-POT講習会や産科麻酔セミナー、ACLSプロバイダーコース参加の補助を頂き、スキルアップにつなげることができました。
当院での麻酔科研修は少しハードかもしれません。ただ、このハードな環境で研鑽を積めば、麻酔科医として確かな力をつけることができます。そのためのサポートは十分揃っています。桂浜の荒波のような当院での研修を乗りこなして、荒波に打ち勝つことができる、タフな麻酔科医を目指しませんか。
前迫 大樹 先生(平成27年卒)
私は高知県出身で高知大学を卒業後、当院で初期研修を行いました。もともと、学生時代から麻酔科に興味があったので、外科系の診療科が充実している当院を志望しました。
研修を始めて改めて感じましたが、当院は高知県の中でも救急搬送数が多いです。そのため、初期研修では重症の患者さんの初期診療や、手技を多く学ぶことができました。
麻酔科での研修の時には飲み会にもたくさん誘ってもらいましたし、先輩達の充実した仕事ぶりを目の当たりにして、高知医療センターで引き続き後期研修を行うことに決めました。
当院は心臓血管外科、呼吸器外科、移植外科、脳神経外科、小児外科、産科など豊富な診療科があるので、専門医取得に必要な症例には困りませんし、土地柄、高齢者が多いこともあって、あらゆる合併症をもつ症例を経験できることも後期研修先としての利点と思います。
麻酔計画に悩んだときには気軽に相談できる先輩もいますし、私が当直をしている際、困ったときには上級医の麻酔科の先生が駆けつけてくれる体制を取ってくれており安心です。
基本的に、我々若手医師の自主性を尊重して可能な限り自由度を持たせてやらせてくれますが、うまくいかないときや、トラブルが起こったときにはすぐに助けてくれます。こういった環境はとてもやりがいがあって意欲がわきます。
是非、当院の麻酔科に見学に来てください。お待ちしています。